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第19回ハセツネCUPを終えて

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 時折、強く降る雨を恨めしそうに見上げ、選手達は会場での準備に余念がない。19回目を迎えた本大会も久々の雨模様に選手や大会実行委員達の不安を煽った。しかし奇跡は起こった!開会式が始まる頃になると、まるで奥多摩の山々が選手達を迎える準備が出来たかのように雨音はピタッと止んだのだ。

  大会では3月に発生した東日本大震災の復興支援活動も継続している。今回は参加者全員にハセツネオリジナルの福島産米が配られた。また選手宣誓は福島県から参加された萱森選手が務め、耐久レースに通じる『あきらめない気持ち』でフィニッシュしようと宣言した。

  カウントダウンの掛け声に合わせ、13時にスタートの号砲が鳴らされ、選手が一斉に飛び出した。前半は天気の回復と共に上がった気温と高い湿度に、汗が滝のように流れ、ハイドレーションの残量と喉の渇きを天秤にかけることになった選手が多かっただろう。雨上がりせいか日没前には、雲上に美しく浮かびあがった富士山のシルエットが拝めた、これは選手達の疲労を一瞬でも和らげてくれたに違いない。夜にかけては自分の息が白く見えるほど気温は下がり、そこに時折強く吹・u桙ォ付ける風が選手達の残された体力をことごとく奪う。霧が濃くなる場面もあり、白いLEDライトの光も拡散し、視界までも奪われ、滑りやすい足もとに多くの選手が苦戦させられたのではないだろうか。 漆黒の闇から抜け出し、日の出山に朝日が射し出す頃になると、気温はグングン上がり制限時間内完走を目指す選手達にとっては自己の限界への挑戦を改めて試される。あと少し、もう少しと膝の痛みを感じながら金比羅尾根を下り続けなくてはいけない。フィニッシュエリアには続々と選手達が戻って来ていた。子供に完走証を誇らしげに見せる父親や沢山の仲間に迎えられ号泣するもの、満面の笑みで達成感を表現する姿など様々な思いを持ち帰った選手達の表情が溢れていた。選手を迎えるスタッフも思わず、もらい泣きしてしまったほどだ。最終走者は制限時間の1分57秒前にフィニッシュした三好悦子選手。『頑張りましたね?』と声を掛けたところ、泥まみれになったシューズを見つめながらも『はい!嬉しいです』と制限時間内に完走することが出来てホッとしたようだった。

 出走数2158名、完走者1725名、完走率79.9% 。男子総合優勝 相馬剛、女子総合優勝 大石由美子。

 来年は20回目となる節目のw)大会になります。皆さんの素敵な笑顔にお会いできる日をスタッフ一同、楽しみにしております。

 

日本山岳耐久レース長谷川CUP実行委員会広報部長 岸 正夫



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