
2022年安全走行講習会実施の趣旨
- 日本山岳耐久レース全コース(71.5km)を、迷わず、安全に、自然と他者に敬意を払い、かつ楽しく完走できる知識と技術を習得してもらうと共に、トレイルランニングの普及と安全登山の徹底及び自然保護マナーを啓発していく指導者の養成を目指す。
- 走力向上だけのための講習ではなく、安全走行講習会の趣旨を具現化するため、
- 昼夜を問わず安全にコースを走行できる技術と知識(夜間走行、食糧計画、体力、走法等)
- 緊急時の対応(セルフレスキュー、救護、搬送、ビバーク等)
- 山の基礎知識(マナー、気象、用語、地図読み、地理、歴史等) を習得してもらう。
- 日本山岳耐久レースの選手マーシャルとしての育成
日程と内容の概略
日程 | 場所 | テーマ/内容 |
---|---|---|
第1回 4月17日(日) |
五日市交流センター(またはオンライン) |
山の基礎知識、登山計画、気象、競技規則と審判、選手マーシャル、完走対策 |
第2回 5月15日(日) |
五日市交流センター(またはオンライン) |
セルフレスキュー 山岳におけるリスク、山岳事故、ロープワーク、三角巾、テーピング、要救護者搬送法、WMA講師によるWilderness First Aid |
第3回 6月12日(日) |
五日市交流センター、武蔵五日市 および 奥多摩山域 |
読図実践 コース実走 地形図、コンパス |
第4回 7月10日(日) |
武蔵五日市 および 奥多摩山域 |
安全走行テクニック 特別講師(第26回ハセツネCUP優勝 三浦裕一氏、高村貴子氏(仮))による安全走行のためのテクニック |
第5回 8月6日(土) |
武蔵五日市 および 奥多摩山域 |
コース実走(グループ) 登山計画、読図、ナイトラン、グループ走行、ビバーク |
第6回 9月10日(土) |
武蔵五日市 および 奥多摩山域 |
コース実走(単独)検定試験 修了式 登山計画、読図、ナイトラン、ビバーク、特別講師(御嶽神社御司 須崎氏)による山岳信仰講話 |
注:講習内容・講師は変更になる可能性があります。
応募要項
募集人数 : 35名
参加資格 :
* | 1. | * | 安全走行講習会実施の趣旨を理解し、学ぶ意欲のある方。 |
2. | 全6回全ての講習に参加できる方。 | ||
3. |
普通救命講習又は赤十字救急法基礎講習の有効な資格(受講日から3年以内)を有している方。失効、未受講の場合は5月末までに取得できる方。なお未保有の方は、5月29日(日)午前 渋谷消防署にて普通救命講習受講可能。 ※救命講習実施機関により、有効期限が延長されている場合がございます。この場合、延長された有効期限内の資格を有していれば良いことといたします。 参考:東京消防庁 https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kyuu-adv/life01-1.htm |
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4. |
自身に関わる地域や団体等においてトレイランニング初心者を対象に、専門的な知識を活かし、安全走行の指導にあたりたい方。 |
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5. |
ZOOM、Facebookグループを利用した情報共有やオンライン講習をおこなうことがありますので、PCやスマホを使ったネットワークへの接続環境がご用意できる方。 |
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6. | 新型コロナワクチンを2回接種済みの方、または第1回講習までに2回接種完了見込みの方。 |
選考方法 : 書類選考(応募動機・抱負等を考慮)
参加費用 : 32,000円(税/保険含む)
※現地までの交通費、教材等の実費は参加者のご負担となります。
※受講に必要な中型バックパック、ツェルト、ストック等登山装備をお持ちでない場合は別途必要になります。
全6回の講習を全て終了し、検定試験に合格した方に、第30回日本山岳耐久レースハセツネCUPのエントリー権を付与します。但し選手マーシャルとして参加し完走することが義務(エントリー費は別途必要)。万が一大会が中止になった場合、エントリー権は翌年に持ち越せません。
申込方法
後記「申込規約」「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、こちらの2022年安全走行講習会応募フォーム
(Googleフォーム)よりお申し込みください。
申込期間 : 2月23日(水) 〜 3月21日(月)
※先着順申込みではありません。
合否発表 : 書類選考の上、3月下旬頃までにご登録のメールアドレスに合否連絡
※参加費用は合格の通知後お支払いいただきます。
主催・主管等
主催 | 一般財団法人 日本山岳スポーツ協会 理事長 宮地 由文 |
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主管 |
一般財団法人 日本山岳スポーツ協会 日本山岳耐久レース実行委員会 安全走行講習会実行委員長 坂上 明子 |
講師 | 公益財団法人日本スポーツ協会公認 山岳コーチ(旧称:山岳指導員)ほか |
事務局 |
一般財団法人 日本山岳スポーツ協会 日本山岳耐久レース実行委員会事務局 FAX : 03−6380−2934 MAIL : jimukyoku@hasetsune.jp |
申込規約
- 入金後の自己都合によるキャンセルはできません。
- 地震・風水害・降雪・事件・事故・疫病等による講習会の縮小・中止についてはその都度実行委員会が判断し、決定します。
- 受講生は、講習会中に実行委員会より講習参加に支障があると判断された場合、実行委員会の参加中止の指示に直ちに従うものとします。また、その他、実行委員会の安全管理・講習会運営上の指示に従うものとします。
- 受講生は、講習会において、営利、宗教、政治等を目的とした活動、その他講習会の趣旨に反する活動を行ってはなりません。また、これに違背した場合、参加中止の指示を受けても異議を述べることはできません。
- 受講生は、講習会中に傷病が発生した場合、スタッフによる応急手当てを受けることに異議を述べず、またその方法、経過等について、実行委員会及び当該スタッフの責任を一切問わないものとします。
- 講習会中の事故、紛失、疾病等に関し、実行委員会は一切の責任を追わず、受講生は実行委員会に対し損害賠償等の請求を行わないものとします。
- 講習会中の事故、傷病等に対する実行委員会側からの補償は、実行委員会が加入した保険の範囲以内に限定されます。
- 受講生は、講習会の映像・写真・記事・記録等(において氏名・年齢・性別・記録・肖像等の個人情報)が新聞・テレビ・雑誌・インターネット・SNS・パンフレット等に報道・掲載・利用されることを承諾するものとします。また、その掲載権・使用権は主催者に属します。
- 申込者の個人情報の取り扱いは、別途記載する実行委員会の規約に則ります。
- 上記申込規約の他、主催者及び実行委員会が別途定める規約(本ページ記載内容を含みます。)に則ります。
個人情報の取り扱いについて
- 主催者及び実行委員会は、個人情報の重要性を認識し、個人情報の保護に関する法律及び関連法令等を厳守し、主催者の個人情報保護方針に基づき、個人情報を取り扱います。
- 応募フォームからお送りいただく個人情報は、合否通知、参加案内及び受付等講習会運営業務並びに次項に掲げる目的に利用いたします。
- 参加決定者には、登山計画(警察署提出)、保険加入及び事故発生時等の緊急連絡のために、住所、生年月日、緊急連絡先等の所要の個人情報をご提供いただきます。
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策について
- 講習会開催期間において、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策を講じる必要がある場合には、次の事項をお願いいたしますので、ご協力ください。詳細については、申込に対する合格通知の際に、書面(PDF)にてお知らせいたします。
- 受講日14日前から検温、健康状況の確認等を行うこと。
- 受付時にスタッフから検温、健康状況の確認などを受けること。 ※これらにおいて37.5℃以上の発熱、感染が疑われる症状の発症がある場合、また感染者との濃厚接触があった場合等には、参加をお断りさせて頂く場合がございます。ご了承ください。
- 講習中は、マスク着用、手指消毒等について、実行委員・スタッフの指示に従うこと。
- その他、実行委員が示す対策に従うこと。
- 緊急事態宣言が発出された場合、その他新型コロナウィルス感染症の拡大状況等により、講習の全部又は一部を中止する場合がございますので、ご了承ください。
- 感染予防の観点から、屋内滞在時間を極力抑えるため、一部の講習について、オンライン教材等により事前学習を行っていただく場合がございます。
実行委員長あいさつ・修了生の体験記
安全走行講習会 実行委員長 坂上明子
(一般財団法人日本山岳スポーツ協会理事・公認山岳コーチ)
今年で15年目を迎える安全走行講習会、修了生の数も400名を超え、ハセツネCUPは勿論、全国各地のトレイルレースにおいても講習会での学びや選手マーシャル経験を生かし、大会の安全を守るスタッフとして安走会OB・OGが活躍しています。各方面から修了生(ハセツネクラブ員)の活動は高い評価を頂いており、指導者として大変喜ばしく感じております。
講習会の期間はたった6ヵ月。限られた時間の中で貪欲に学び、その後も研鑽を積んで山の安全やマナーを指導できるリーダーとなり、日本のトレラン界の未来を担う人材となっていただけることを期待します。
選考は書類審査。山歴や走力重視の選考ではありません。将来性、積極性、社会性等を基準に選考いたします。「応募動機・抱負」で安走会への意欲や将来の展望をお伝えください。また過去の選考で残念だった方の再応募も歓迎いたします。
2021年度 安全走行講習会・体験記
滝澤栄介(第14期生)
「ご安全に」という言葉に込められた熱意とおもいやり
山をフィールドとして活動する場合、怪我、滑落、道迷い、低体温症などにより遭難してしまうリスクがあります。街とは異なりコンビニもなければすれ違う人の量も少なく、救急車なんて来てくれるはずもない場所で遭難した場合、最悪死に至ります。これまでの自分は、そういったリスクも考慮して山で行動出来ていたのかと振り返りました。山を登る、山を走る上で必要な知識は最低限得てきたつもりでしたが、万が一自分が遭難した時、遭難した人に遭遇した時、対応出来る知識や技術がほとんどない事に気がつきました。参加のきっかけはそういったことですが、自分の周りには安全走行講習会を修了した友人が多くいました。度々話題になる内容を聞いていると、自分に足りない部分を教えてもらえる絶好の機会だと捉えて2020年13期生として申し込みました。13期はコロナ禍で中止となり幻の講習会となりましたが、14期生として選抜していただいた時には非常に嬉しく、光栄でした。
2021年は年始から感染拡大が続き春先も予断を許さない状況でしたが、オンラインでの開校式、顔合わせからのオリエンテーション、第2回もスタッフの皆さんで作ってくださった動画を視聴しての事前学習からオンラインでの座学、ロープワーク、懇親会と新感覚で楽しく学べました。先輩方の経験や知識に脱帽でした。第3回読図実践は武蔵五日市での実地講習となり、スタッフの皆さんや同期に初めてお会い出来ることに嬉しくもあり気恥ずかしくもありました。第4回安全走行テクニックではトップ選手の背中を追いかけて走りながら質問出来る貴重な時間でしたし、スピード感や身体運びを見れた事は貴重な体験となりました。第5回グループ走、ほぼ初顔合わせの同期とチームとなり、コロナ禍でしたのでオンラインでミーティングを重ね、行動スケジュールや登山届を完成させる交流も楽しめました。当日はチーム全員、同じ電車で待ち合わせして気合いを入れて講習会場に乗り込みました。グループ走に含まれる読図テストやロープワーク試験、途中からの雨、ビバークを含めて丸2日間同じメンバーで過ごすことで、厳しくも充実した時間でした。登山届けの内容とエスケープルートの設定や、当日の行動時間の管理など非常に勉強になりました。
ハセツネ安全走行講習会全6回の内容にはこれまで14回積み重ねられてきたノウハウが詰まっています。絶妙なタイミングで前回までに学んだ内容が次回の実習に活かされていると回を重ねる度に感じていました。それは今まで講習会を実施してきた方々の熱意と、講習生の真剣さがぶつかり合うことで少しずつ改善されて今回私たちが学んでいる内容になっていると考えると感動を禁じ得ません。
委員長をはじめとする実行委員、それをサポートするスタッフはとても個性的な方々で、親切丁寧且つ楽しく教えて下さいます。この歳になって久しぶりに出来た同期、同級生は半年間学びを共にした仲間としてその後も交流させてもらっているのは私の宝物です。
いずれにしてもこの状況で開催していただけたことに感謝しかありません。この体験記を読んで、少しでもハセツネ安全走行講習会に興味を持っていただければ幸いです。ご自身の世界が大きく広がることは間違いありません。是非ご参加を検討してみて下さい。
柘優美(第14期生)
トレランを始めた頃、重い荷物を背負い山をほぼ寝ずに一昼夜走るハセツネ大会の話を聞き、ただ驚愕するばかりでした。その後、トレランで知り合った仲間にもハセツネの経験者が多数おり、制限時間を目一杯使い様々な楽しみ方が出来る大会である事を知り、感銘を受けました。いつか何らかの形で携わってみたいと思ったのが、安走会受講のきっかけです。
安走会13期は新型コロナウイルス感染症の拡大で開催中止。14期もコロナの影響をもろに受けました。開講式、机上講習の全てが急遽オンラインに変更。例年とは全く違う、主催者も受講生も手探りの講習会です。それでも、画面越しに会う方々のお話は刺激的で、熱意もひしひしと伝わってきました。
夏になり、ようやく叶った対面講習。初めて会う同期と先輩は、各々が得意分野のある山の猛者ばかり。経験不足に不安を感じた私に、先輩は「大丈夫、誰でも最初は初めてだから」という言葉をかけて下さり、それが励みになりました。
少人数でのグループ走は、衣食住を全て背負い2日間の山行。事前の詳細な登山計画と打ち合わせが必須ですが、全てオンラインで行いました。体力・走力が異なるメンバーが、お互い励まし合いながらが昼夜行動を共にする貴重な経験でした。メンバーと御前山避難小屋から見た美しい夜景は一生忘れないでしょう。
最終検定の個人走は、安走会恒例(?)の荒天。大雨と雷の鳴り響く夜道を、無事に帰還する事だけを念頭に淡々と進みました。各所でスタッフに見守られている安心感と、仲間が同じゴールを目指しているという思いが心の支えでした。夜中にテント場に到着すると、休む間もなくツェルト張りのテスト。翌日は下山後に筆記試験と実技試験。無事に修了証書を頂いた時は本当に嬉しかったです。
秋のハセツネカップは中止となり、目標だった選手マーシャルの任務は果たせませんでしたが、個性豊かな14期の仲間や、頼りになる先輩方と出会えた事は最大の収穫でした。前例の無いコロナ禍の中、できる限りの安全を担保し、学ぶ機会を与えてくださったスタッフの皆様には本当に感謝しています。
山を安全に楽しむ術や知識を身に付ける事は、山に入る者の責務であると考えています。安走会はそれらを効率良く学べ、同じ思いを持つ仲間と出会うまたと無い機会です。私自身、仲間から影響を受けて、ロゲイニングやテント泊などを楽しむようになり、興味の幅が広がりました。安走会が新たな世界に足を踏み入れるきっかけになる事は間違いありません。少しでも関心のある皆さまのご参加を心よりお待ちしております。